書籍レビュー・筋トレ科学
科学で鍛える筋トレ超大全を解説|今古賀翔さんの最新理論は本当に使えるのか
『科学で鍛える! 筋トレ超大全 最新理論で理想の筋肉をつくる』を、パーソナルジム経営者・NSCA認定トレーナーの視点から徹底解説します。科学的根拠、レビュー傾向、類似書籍との違い、どんな人に向いているかまで整理しました。
関連記事:個人で本を出版する方法 / Kindle出版のやり方
この記事で分かること
- 『科学で鍛える!筋トレ超大全』の基本情報と目次構成
- 本書の重要ポイント5つ
- 筋トレ初心者・中級者・上級者にどう役立つか
- Amazon・ブクログ・noteレビューの傾向
- 庵野拓将さんの『科学的に正しい筋トレ 最強の教科書』との違い
『科学で鍛える!筋トレ超大全』とは
『科学で鍛える! 筋トレ超大全 最新理論で理想の筋肉をつくる』は、今古賀翔さんによる筋トレ実用書です。出版社はKADOKAWA、発売日は2025年2月19日、紙書籍は272ページ、定価は税込1,980円です。
本書は、筋肥大のメカニズム、トレーニングボリューム、RPE、分割法と全身法、初心者向けプログラム、中・上級者向け9WEEKプログラム、栄養とサプリメント、種目別トレーニングまでを扱う一冊です。
著者の今古賀翔さんは、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科を卒業したスポーツ科学修士であり、株式会社EVERLIFT代表取締役社長としてジム経営も行っています。YouTubeチャンネル「今古賀翔【トレーニング科学】」では、科学的根拠に基づいたトレーニングやダイエット情報を発信しています。
書籍情報
| 書名 | 科学で鍛える! 筋トレ超大全 最新理論で理想の筋肉をつくる |
|---|---|
| 著者 | 今古賀翔 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| 発売日 | 2025年2月19日 |
| ページ数 | 272ページ |
| ISBN | 9784046074133 |
| ASIN | Kindle:B0DW2N3DWB/紙:4046074132 |
本書のポイント1:筋トレを感覚ではなくボリュームで考えられる
本書の大きな価値は、筋トレを「なんとなく効いた」「筋肉痛が来た」「汗をかいた」という感覚だけで判断しない視点を与えてくれることです。
筋肥大を考えるうえで重要なのは、週単位でどれだけ適切な刺激を積み上げられているかです。現場でも、伸びている人ほどトレーニング記録を残しています。重量、回数、セット数、主観的なきつさ、フォームの安定感を把握しているからこそ、停滞したときに修正できます。
反対に、毎回のメニューを気分で変えてしまう人は、何が足りていて、何が足りていないのかを判断できません。トレーニングは努力だけではなく、設計が重要です。
パーソナルジムの現場でも、筋トレ初心者の方にはまず「記録すること」を伝えます。記録があれば、同じ種目で重量が伸びているか、回数が増えているか、フォームが安定してきたかを確認できます。
本書のポイント2:毎回限界まで追い込む必要はないと分かる
筋トレというと、「限界まで追い込まないと意味がない」と考える人が多いかもしれません。
しかし、毎セット限界まで追い込むことが、常に最適とは限りません。特に初心者の場合、限界まで追い込むとフォームが崩れやすくなります。フォームが崩れれば、狙った筋肉に刺激が入りにくくなり、関節や腰への負担が増えます。
本書で扱われるRPEの考え方は、この問題を解決するうえで非常に実用的です。RPEとは主観的運動強度のことで、「あと何回できそうか」をもとに追い込み具合を調整する方法です。
たとえば、あと2回できそうな余力を残して終えるなら、完全な限界ではありません。しかし、それでも十分な刺激が入る場合があります。大切なのは、今日だけ燃え尽きることではなく、次回のトレーニングにつながる刺激を積み重ねることです。
本書のポイント3:初心者と中上級者でプログラムが分かれている
筋トレ本でよくある問題は、初心者にも中級者にも上級者にも、同じメニューを提示してしまうことです。
しかし、初心者と中上級者では必要なことが違います。初心者に必要なのは、フォームの習得、基本種目への慣れ、無理のない頻度、継続できるメニューです。いきなり複雑な分割法や高ボリュームのプログラムを行う必要はありません。
一方、中級者以上になると、同じメニューを続けているだけでは伸びにくくなります。ボリューム、強度、種目、RPE、ディロードなどを計画的に変える必要があります。
本書は、初心者向けプログラムと中・上級者向け9WEEKプログラムが分かれているため、自分のレベルに合わせて読み進めやすい構成です。
本書のポイント4:栄養とサプリメントも総合的に理解できる
筋トレ初心者が混乱しやすいテーマのひとつが、プロテインやサプリメントです。
「筋トレ後すぐに飲まないと意味がない」「1回20g以上は吸収されない」「プロテインさえ飲めば筋肉が増える」など、断片的な情報が多いため、何を信じればよいか分からなくなりがちです。
しかし、筋肉を増やすうえで重要なのは、まず1日全体のタンパク質量です。プロテインのタイミングや種類にこだわる前に、食事全体で必要量を満たせているかを確認する必要があります。
現場でも、プロテインを飲んでいるのに食事全体のタンパク質量が不足しているケースはよくあります。朝食がパンとコーヒーだけ、昼は麺類、夜だけ肉や魚という食生活では、筋肉づくりに必要な材料が不足しやすくなります。
本書のポイント5:種目別トレーニングまで落とし込まれている
理論を学ぶだけでは、体は変わりません。実際にどの種目を、どのフォームで、どのように行うかまで落とし込む必要があります。
本書では、ベンチプレス、スクワットなどの種目別トレーニングも扱われています。これは、読者が理論をジムで実践しやすい大きなポイントです。
ただし、フォーム習得は書籍だけで完結しにくい部分でもあります。スクワットであれば、足幅、重心、膝の向き、体幹の保持、可動域によって刺激の入り方が変わります。ベンチプレスでも、肩甲骨の安定、バーの軌道、肘の角度、足の踏ん張りが重要です。
そのため、本書で理論と種目の考え方を学びつつ、動画や専門家のフォームチェックと併用すると、より効果的に活用できます。
従来の筋トレ本との違い
『科学で鍛える!筋トレ超大全』の特徴は、科学的根拠と実践プログラムの距離が近いことです。
従来の筋トレ本には、モチベーション型、解剖学・種目図鑑型、科学的根拠を整理した理論型があります。それぞれ価値はありますが、実際のプログラム設計まで踏み込まない本も少なくありません。
その点、本書は初心者向けプログラム、中・上級者向け9WEEKプログラム、FAQ、種目別トレーニングまで含んでいます。読んで終わりではなく、ジムで使える構成になっている点が強みです。
庵野拓将さんの『科学的に正しい筋トレ 最強の教科書』との比較
類似書籍として比較されやすいのが、庵野拓将さんの『科学的に正しい筋トレ 最強の教科書』です。
庵野本は、科学的筋トレを体系的に学ぶ名著です。筋トレ方程式、トレーニング、タンパク質摂取法、筋トレの続け方など、理論を広く整理しています。
一方で、今古賀本はより実践寄りです。プログラム、RPE、ディロード、種目別トレーニングなど、実際にジムでどう行うかに近い内容が多く含まれています。
| 比較項目 | 筋トレ超大全 | 科学的に正しい筋トレ 最強の教科書 |
|---|---|---|
| 方向性 | 理論+プログラム実践 | 科学的理論の体系整理 |
| 向いている読者 | ジムで実践したい人 | 筋トレ理論を深く学びたい人 |
| 強み | 9WEEKプログラム、種目別解説 | 理論の網羅性、研究ベースの整理 |
| おすすめの読み方 | 実際のメニュー作成に使う | 筋トレの基礎理論を学ぶ |
こんな人におすすめ
初心者:何から始めればよいか分からない人
初心者には、まず筋トレの全体像をつかむためにおすすめです。週何回やればよいのか、どれくらい追い込めばよいのか、タンパク質はどのくらい必要なのかといった疑問を整理できます。
中級者:伸び悩みを感じている人
中級者には、停滞を抜けるためのプログラム設計の参考になります。特に、RPE、ボリューム、ディロード、種目選択を見直したい人に向いています。
上級者:自分のメニューを再設計したい人
上級者にとっては、知識の再整理やメニューの棚卸しに役立ちます。長年の経験で固定化されたメニューを、科学的な視点で見直すきっかけになります。
レビュー分析:高評価と注意点
Amazon検索結果では、星4.4前後、90件超のレビューが確認できます。高評価の傾向としては、「迷いがなくなる」「筋トレを学びたい人に良い」「科学的に整理されている」という方向性が見られます。
ブクログでは、評価がやや分かれており、「科学的知見が整理されている」「9weekプログラムに取り組んでみたい」という肯定的な声がある一方で、「動画の方がわかりやすい」「本ではなく動画で十分」という声も見られます。
この点は、著者のYouTubeが充実していることの裏返しでもあります。動画で学ぶ方が分かりやすい人もいるでしょう。一方で、体系的に手元で見返したい人、プログラムを確認したい人、種目や栄養の考え方を復習したい人には、本書の価値があります。
結論:筋トレを長く続けたい人の設計図になる一冊
『科学で鍛える!筋トレ超大全』は、筋トレを根性や感覚だけで続けるのではなく、科学的に設計したい人に向いている本です。
筋トレで成果を出すために必要なのは、単に頑張ることではありません。記録し、設計し、修正し、継続することです。
本書は、そのための考え方とプログラムを学べる一冊です。初心者にも、中級者にも、伸び悩んでいる上級者にもおすすめできます。
あなたの専門性も、本にできます
cortis出版では、専門家・経営者・トレーナー・士業の方に向けて、Kindle電子書籍とペーパーバックの出版をサポートしています。
10万円でKindle電子書籍+ペーパーバックを同時出版できます。
企画、原稿作成、編集、表紙、Kindle登録、紙書籍化まで一括で相談したい方は、以下よりお問い合わせください。
あわせて読みたい関連書籍
筋トレを、体づくりだけでなく、メンタル・習慣・仕事にも活かしたい方には、以下の3冊もおすすめです。
参考情報
- KADOKAWA公式書誌情報
- KADOKAWA公式トピックス・プレスリリース
- ブクログ・読書メーター・note上の読者レビュー
- PubMed・ScienceDirect掲載の筋肥大、頻度、追い込み、タンパク質摂取に関する研究
