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出版代行の契約書で確認すべきポイント|印税・著作権・追加費用の落とし穴【チェックリスト付】

2026 6/07
出版ノウハウ
2026年6月7日

「10万円払って原稿を渡したのに、契約書に縛られて改訂も電子化もできない」——出版代行でこうした後悔をした著者の声は珍しくありません。費用は安いもので10万円台から高いものでは100万円を超えるこの業界で、問題の9割はサイン前の5分間で防げます。出版代行の契約書は一般的な業務委託とは構造が異なり、「著作権は著者に帰属します」という一文だけでは安心できない理由があります。この記事では、法律用語を辞書なしで読み解き、どの文言が著者にとってリスクなのかを具体的な比較とともに解説します。

出版代行の契約書が「普通の業務委託」と根本的に異なる理由

システム開発やWebデザインの業務委託なら、「成果物の著作権は委託者(依頼主)に帰属する」という一文で権利関係はほぼ完結します。しかし出版代行では、著作権のほかに「出版権」という独立した権利が別途存在します。著作権を著者が保持しながら、出版代行会社に出版権を設定することが契約書上は可能であり、この出版権を広く設定されると、著者は自分の本を他の媒体や他社経由で展開しようとするたびに会社の承諾が必要になります。

加えて、出版代行の費用帯は幅広く、最低限の電子書籍出版サポートで10万円台、編集・デザイン・プロモーションまでフルサポートになると100万円を超えるプランも存在します。金額が大きいほど、万一のトラブル時のダメージも深刻です。出版代行とは?費用・選び方でも触れているとおり、費用の相場感と権利の両方を理解したうえで契約書を読む必要があります。

一般的な出版代行契約書は15〜25条で構成されますが、全条項を精読する必要はありません。確認必須の条項は5つに絞れます。著作権と出版権、印税、追加費用、契約期間と解約、出版後の自由度——この順で解説します。

まず確認すべき「著作権と出版権」——帰属先と利用範囲の読み方

契約書を開いて最初に探すべきは「著作権」と「出版権(または利用許諾)」の2つの条項です。多くの著者が陥る誤解は、「著作権は著者に帰属します」という一文を見つけた時点で安心してしまうことです。著作権の帰属と出版権の設定はまったく別の問題です。

文言レベルで比較します。

  • 危険パターン:「乙(会社)は本書の独占的出版権を有し、甲(著者)は乙の書面による事前承諾なしに第三者への出版・配信を許諾できないものとする」
  • 安全パターン:「甲(著者)は乙(会社)に対し、本書のKDP出版に限定した非独占的利用許諾を付与する。甲は本書の他媒体展開について乙の承諾を必要としない」

前者では著作権は著者にあっても、他の出版社・プラットフォームへの展開に会社の許可が必要です。業界慣行として独占的出版権の期間が3〜5年に設定されているケースがあり、その間は事実上身動きが取れません。後者は出版代行の範囲を「KDP出版のみ」に限定し、他媒体への展開を著者が自由に判断できる構造です。

この条項で確認すべき3点をまとめます。

  • 「独占的」という文言が出版権に付いているかどうか
  • 利用を許諾している媒体・範囲(KDPのみか、全媒体か、音声・翻訳まで含むか)
  • 契約期間終了後に出版権が著者へ自動的に返還されるか、別途手続きが必要か

「著作権は著者に帰属」という文言は多くの会社が使います。それより重要なのは、その直後に「出版権を乙に設定する」という条項が続いているかどうかです。

印税条項のチェックリスト——率・計算基準・支払いタイミングの3点セット

印税条項は数字が並ぶため「読んだ気」になりやすい箇所ですが、率・計算基準・支払いタイミングの3点を全部確認しないと手取り額を正しく把握できません。特に「計算基準」は意外と読み飛ばされます。

同じ1,000部・定価1,500円の本でも、条件次第で手取りは大きく変わります。

  • ケースA(印税10%・発行部数ベース・年1回払い): 1,500円 × 10% × 1,000部 = 150,000円。ただし実売ゼロでも発行時に確定し、支払いは年1回。
  • ケースB(Kindleロイヤリティ70%・実売ベース・月次払い): 1,500円 × 70% × 1,000DL = 1,050,000円。売れた分だけ受け取り、翌月払い。
  • ケースC(cortis標準・印税100%著者帰属): KDPが支払うロイヤリティの全額を著者に還元。月次払い。会社の中間マージンなし。

ケースAで注意が必要なのは「発行部数ベース」という計算基準です。これは実際に売れていなくても発行した時点で印税が確定するため、会社にとっては都合がよく著者には在庫リスクがない代わりに、実際の読者数とは切り離された計算になります。電子書籍の場合は実売ベースが基本であるべきです。

さらに「支払いは年2回、3月と9月」と書かれていても、「支払い最低金額1,000円未満は翌期繰越」という付帯条件があると、少部数の著者は数年間受け取れないケースもあります。

印税条項で確認すべき3点を整理します。

  • 率: 何%か。定価の何%か、それとも出版社受取額の何%か
  • 計算基準: 発行部数か実売数か。税込か税抜か
  • 支払いタイミング: 月次か半期か。最低支払額・繰越条件の有無

印税の計算をご自身の出版計画の数字で確認したい場合は、無料相談で数値シミュレーションをお見せします。どのプラットフォームで何部を目標にするかによって最適な条件は変わります。出版前にシミュレーションすることで、条件交渉の根拠にもなります。

追加費用・修正費用が発生する条項の見つけ方

「初期費用〇〇万円のみ」と営業資料や見積書に書かれていても、契約書に「別途費用が発生する場合」の条項が複数潜んでいるケースは珍しくありません。見つけ方を知っておけば、読み飛ばすことを防げます。

要注意の文言パターンを挙げます。

  • 「初稿への修正対応は3回まで含む。4回目以降は1回につき別途費用が発生する」
  • 「校正・校閲は基本パッケージに含まれるが、大幅な原稿変更が生じた場合は別途協議するものとする」
  • 「カバーデザインの修正は2案まで含む。3案目以降は実費」
  • 「ISBN取得費用・著者への見本誌発送費用は本契約に含まない」

それぞれ単独では小さく見えますが、複数重なると最終的な追加費用が初期費用の30〜50%に達することがあります。特に「修正3回まで」という条項は、著者が「3回の修正」を何に対して使えるのか(誤字脱字の指摘か、構成レベルの変更か)が曖昧な場合、最初の指摘でカウントが進んでしまうトラブルを招きます。

確認すべきは「完全成果物の定義」条項の有無です。成果物が何であるかを具体的に列挙している契約書は透明性が高い。以下が明記されているか確認してください。

  • 原稿入稿からAmazon販売ページ公開まで、どの工程が含まれるか
  • 修正回数・修正範囲の上限と、超過時の追加費用の金額または算出方法
  • 「完了」の定義(例:Amazonでの販売開始をもって本件業務の完了とする)

cortisでは初期費用10万円〜の明朗会計を採用しており、追加費用が発生する条件と金額を契約書に具体的に明記しています。「想定外の請求」を防ぐために、契約前の段階で費用の全体像を書面で確認することを強くお勧めします。

契約期間・独占条項・解約条件——「縛られない出版」のための確認ポイント

契約期間と独占条項は、著者が将来的に動けるかどうかを左右する最重要事項の一つです。KDP出版代行おすすめ比較でも各社の条件差を比較していますが、ここでは特に注意が必要な3点を解説します。

①独占的出版権の期間設定

業界慣行として独占期間が3〜5年に設定されているケースがあります。「契約期間は1年・自動更新」という設定でも、解約通知のタイミングが「期間終了の60日前までに書面で通知」と書かれていると、通知を見逃した翌日に2年目が自動スタートします。自動更新条項がある場合は、通知期限をカレンダーに登録することが最低限の対策です。

②中途解約時の成果物引渡し

制作途中でトラブルが発生した際、どこまでの成果物を著者が受け取れるかを確認します。「中途解約の場合、既払い費用の返還義務はなく、制作途中の成果物の引渡し義務も負わない」という条項が実在する契約書があります。最低限、「中途解約時に制作済みの原稿データ・カバーデータを著者に引き渡す」という条項があるかを確認してください。

③契約終了後の権利返還手続き

「契約期間終了後30日以内に双方が書面で確認した場合に出版権が著者に返還される」という条項は、著者が手続きを知らなければ権利が宙ぶらりんになるリスクがあります。「契約期間の終了をもって出版権は自動的に著者に帰属する」という自動返還の条項があるかどうかを確認してください。

改訂・増刷・電子→紙・シリーズ展開——出版後の自由度を左右する条項

「本を出して終わり」ではなく、出版後に内容を更新したい、紙書籍でも出したい、続編を書きたいという場面で、契約書が壁になるケースがあります。出版後の可能性を狭めないために、以下を事前に確認します。

改訂の自由度:電子書籍は内容の更新が比較的容易ですが、「改訂版の出版には乙の書面による承諾を要する」という条項があると、誤字修正や法改正対応のアップデートにも会社への連絡と承諾が必要になります。「著者は乙に通知することで改訂版を出版できる(承諾は不要)」という条項があるかを確認してください。「通知のみ」か「承諾が必要」かで著者の動きやすさが大きく変わります。

電子→紙展開:電子書籍でヒットしたあと紙書籍も出したいという場合、「紙書籍の出版は本契約の対象外とし、別途協議する」という条項があると、追加費用や新規契約が発生します。最初から「本書の電子・紙両媒体の出版に本契約を適用する」と明記されているか、または電子書籍専業の場合は「紙書籍化は著者が自由に第三者に依頼できる」と明示されているかを確認します。

シリーズ展開:「第2弾・第3弾は同条件で乙を通じて出版することを優先交渉する」という優先交渉権条項が入っているケースがあります。優先交渉権自体が問題ではありませんが、「条件が折り合わなかった場合に他社から出版できる」という逃げ道の明記があるかを確認してください。

出版後の自由度を確認する3点をまとめます。

  • 改訂:「通知のみで改訂可能」か「承諾が必要」か
  • 媒体拡張:電子・紙・音声・翻訳の各媒体について利用範囲が明記されているか
  • シリーズ:優先交渉権の有無と、条件不一致時に他社出版が可能かどうか

「信頼できる出版代行会社」が持つ契約書の共通点——cortisが開示する理由

ここまで読んで「どの会社も似たり寄ったりでは?」と感じた方に、信頼できる出版代行会社の契約書に共通する特徴をお伝えします。

①曖昧な文言が少ない

「別途協議」「実費を負担」という表現は、金額・条件が不確定なまま著者にリスクを押し付ける文言です。信頼できる会社の契約書では、追加費用が発生する条件と金額の上限、または算出方法が具体的に明示されています。「別途協議」という言葉が契約書に何箇所あるかを数えるだけで、会社の透明性の度合いが見えてきます。

②著者の権利が契約の中心に置かれている

印税100%著者帰属を標準にしている会社の契約書では、出版権の設定範囲が「KDP出版に限定した非独占的利用許諾」に留まり、著者が他媒体への展開を自由に判断できる設計になっています。cortisでは最短30日での出版を実現しながら、この設計を標準として採用しています。出版スピードを上げるために著者の権利を縮小することはしません。

③契約書を見せることを嫌がらない

「契約書を事前に確認したい」と伝えたとき、PDFをすぐに送れない会社は注意が必要です。cortisでは、無料相談の場で契約書のPDFをそのままお渡しし、すべての条項について「なぜこう書いているか」をその場で説明します。印税100%帰属の仕組みも、出版権の範囲も、追加費用の条件も、書面レベルで確認していただけます。

cortisの契約書をそのままPDFでお渡しし、不明点はその場で回答します——まず無料相談で契約書を見てみてください。

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この記事を読んでも「自分が受け取った契約書のこの条項は問題ないか」「複数社を比較したい」という疑問が残る場合、専門家に確認するのが最も確実な方法です。弁護士に依頼すれば正確ですが、契約書レビューだけで数万円かかることもあります。

cortisの無料相談では、出版代行の実務経験から「この条項は著者にとってリスクか」「業界標準と比べてどうか」を無料でお伝えします。以下のような方に活用いただいています。

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よくある質問

Q. 出版代行の契約書に著作権の条項は必ず含まれていますか?

ほぼすべての出版代行契約書に著作権に関する条項が含まれています。ただし「著作権は著者に帰属する」という文言があっても、出版権を会社に設定している場合は著者の自由度が制限されます。著作権と出版権(または利用許諾)の両方を確認することが重要です。

Q. 印税100%著者帰属とはどういう意味ですか?

KDPなどのプラットフォームから支払われるロイヤリティの全額が著者に還元される仕組みです。出版代行会社が中間マージンを取らない代わりに、初期の制作費用(編集・デザイン等)を著者が負担する形が一般的です。cortisはこの方式を標準としており、印税から会社の取り分は発生しません。

Q. 出版代行の契約期間はどのくらいが一般的ですか?

1〜5年が多く、自動更新の条項が付いているケースもあります。独占的出版権が設定されている場合、その期間中は他社・他媒体への展開に会社の承諾が必要になるため、期間の長さと独占の有無は必ずセットで確認してください。

Q. 契約書のどの条項を最初に読めばいいですか?

優先順位は①著作権・出版権の帰属と範囲、②印税の率・計算基準・支払いタイミング、③追加費用が発生する条件、④契約期間・解約条件・権利返還手続き、⑤改訂・媒体拡張の自由度——の5点です。この5点を確認するだけで、主要なリスクの大部分を把握できます。

Q. 追加費用なしで出版できる会社を見極める方法はありますか?

契約書に「完全成果物の定義」条項があり、販売開始までの全工程が明記されているかを確認してください。「別途協議」「実費」という表現が複数の条項に登場する場合は、追加費用が発生するリスクが高い構造です。事前に「この金額以外に発生する費用があるか」を書面で確認することが最も確実な方法です。

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