2025年9月|SGE最新:AI要約でGoogleのCTR低下(Pew)

米Pew Research Centerは、Google検索のAI要約(AI Overviews)表示時に、従来の検索結果リンクのクリック率(CTR)が低下する傾向を報告しました。対象は米国成人900人の実測ブラウジングデータで、観測期間は2025-03です。一次情報に基づき、要点と実務対応を整理します。
公開日:2025-07-22(JST)
最終更新:2025-09-03
カテゴリ:SGE 最新ニュース
ニュース概要
本分析は、GoogleのAI要約とユーザー行動の関係を、実際のブラウジングログから統計的に示した点が特徴です。主なポイントは次のとおりです。
- AI要約が表示されたページで、従来の検索結果リンクをクリックした割合は8%。AI要約がないページでは15%。
- AI要約内の引用リンクのクリックは1%。
- AI要約ありのページでは、検索後に閲覧を終了した割合が26%(非表示時は16%)。
- AI要約は全検索の18%で発生し、多くの要約(88%)が3件以上の出典を引用。
公式発表の要点
一次情報はPew Research CenterのShort Reads(公開日:、対象地域:米国、機能名:Google AI Overviews)です。分析の母集団や手法は、方法論ページに詳述されています。
変更点/影響範囲
- CTRの差:AI要約表示時の従来リンクCTRは8%、非表示時は15%。
- 要約内リンク:クリックは1%と希少。
- セッション終了:AI要約あり26%、なし16%。
- 露出傾向:AI要約ではWikipediaや.govの比率が相対的に高い(.govは6%、通常は2%)。
よくある誤解
- 因果の断定は不可:観測データに基づく関連の提示であり、AI要約が直接的に流入減を「引き起こした」と断定していません。
- 世界全体の一般化は慎重に:対象は米国パネル(KnowledgePanel Digital)。他地域への直ちの一般化には注意が必要です。
- 検索面の再現収集:Googleの検索結果は外部取得が難しく、第三者サービスで収集した表示内容に基づいています。
影響と背景(業界・SEO/UX)
パブリッシャー視点では「ゼロクリック化」の進行が懸念されます。AI要約により、ユーザーがSERP上で情報需要を満たし、サイト訪問に至らないケースが増える構造が示唆されます。一方で、権威情報(Wikipediaや.govなど)の露出が高まる傾向も見られ、信頼性の高い情報源の比重が増す可能性があります。
クエリ特性では、語数の多い検索や質問文などでAI要約が出やすく(10語以上で53%)、HowTo・FAQ・定義系の情報は要約に取り込まれやすいと考えられます。
実務ポイント(誰が/いつまでに/何を)
- SEO担当|2025-09-10:GSCで質問型・長文クエリを抽出し、AI要約発生時のCTRを別切りで可視化(週次モニタリング)。
- 編集長|2025-09-20:主要ランディングの要約採用可能性を棚卸し(定義・手順・FAQの明確化、一次情報の追記、著者/監修情報の強化)。
- テクニカルSEO|2025-09-20:FAQPage/HowTo/Article/Organization/Personの構造化データ整備、引用・出典リンクの明示。
- 広報・渉外|2025-09-30:.gov/学術/業界団体向けの白書・統計ページを公開し、権威サイトからの引用可能性を高める。
- 分析担当|2025-09-30:“要約発生率”と“ゼロクリック率”をダッシュボード化し、離脱/再検索を補助指標に採用。
出典
- 一次:Pew Research Center – Short Reads(公開日:2025-07-22)
https://www.pewresearch.org/short-reads/2025/07/22/google-users-are-less-likely-to-click-on-links-when-an-ai-summary-appears-in-the-results/ - 方法論:What Web Browsing Data Tells Us About How AI Appears Online — Methodology(公開日:2025-05-23)
https://www.pewresearch.org/data-labs/2025/05/23/methodology-metered-data-ai/
関連記事と次のアクション
Powered by REST API
AI要約時代のSEO運用設計のご相談を承ります。要約採用を見据えた情報設計、構造化データ、参照ソース戦略、ダッシュボード整備まで伴走支援します。
コメント