Salesforce、2025年第2四半期決算を発表|売上98億ドル・前年比12%増、AIエージェント戦略が成長を牽引
【2025年9月5日】米Salesforceは2026年度第2四半期(2025年5–7月期)の決算を発表。売上高は98億ドルで前年同期比+12%、営業利益率は27%と堅調だった。成長を牽引したのは、生成AIを搭載したEinstein Copilotやエージェント基盤Agentforce、そして顧客データを統合するData Cloudの一体運用だ。
決算ハイライト:2桁成長と収益性の両立
- 売上高:98億ドル(前年同期比+12%)
- 営業利益率:27%(コスト最適化とAI関連の高付加価値化が寄与)
- AIプロダクト:Einstein Copilotの導入が営業・サポート領域で拡大
- Data Cloud:契約増で客単価が上昇、クロスセル・アップセルを牽引
AIエージェント戦略が業績を牽引
Salesforceは「すべての従業員にAIエージェントを」というビジョンのもと、Agentforceを中核に据えた製品戦略を加速。Einstein CopilotはCRM上の顧客データを参照し、提案資料やメール、要約の自動生成を行う。カスタマーサポートでは、ナレッジから最適回答を提示し、対応時間の短縮と一次解決率の向上に貢献する導入事例が増えている。
経営陣は「AIは単なるツールではなく“チームメイト”」と表現。SaaSの中核機能としてAI×エージェントを位置づけ、プロダクト価値と収益性の両立を示した。
Data Cloud強化:単価上昇と解約率低下のエンジン
Data Cloudは、プロファイル・行動ログ・購買履歴などを統合し、リアルタイムな360°顧客像を提供。AIの推論に必要な“クリーンなデータ土台”を整えることで、パーソナライズ施策の精度が高まり、解約率の低下やLTV向上につながっている。決算でもデータ基盤の採用拡大が客単価の押し上げに寄与した。
投資家の視点:AI投資の回収フェーズへ
市場では、AI関連の先行投資が収益へ反映し始めたとの見方が優勢。CopilotとData Cloudのセット導入がアップセル加速のドライバーになり、今後も2桁成長の持続可能性が意識されている。
実務への示唆:AI×データで現場を変える
- 営業:商談準備の自動化で対人時間を確保、提案の質と速度を両立
- カスタマーサポート:一次解決率の改善と平均応答時間の短縮
- マーケティング:Data Cloud×AIでセグメント自動生成、キャンペーンROIを押し上げ
企業がデジタル変革を進める上で、AIエージェント×データ資産の統合運用は競争優位の基盤となる。Salesforceの事例は、その“作法”を示す好例だ。
出典・参考
- Salesforce Investor Relations:FY26 Q2 リリース
- SEC EDGAR:Salesforce filings(10-Q)
- Agentforce(AIエージェント基盤)
- Einstein Copilot
- Data Cloud
注:本文は公式発表・公開資料に基づき再編集しています。数値・仕様は発表後に変更される場合があります。
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