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出版企画書の書き方|経営者・士業の記入例と無料テンプレート【2026年版】

2026 9/08
出版ノウハウ
2026年3月21日2026年9月8日

出版企画書とは?専門知識を「読者に届く本」にする設計図

出版企画書とは、出版社や編集者に「誰に、どのような価値を届ける本を作りたいか」を提案する書類です。いわば本のプレゼン資料。著者が書きたい内容を並べるだけでなく、読者がその本を必要とする理由まで示します。

経営者・士業・専門家には、現場で蓄積した知識や経験があります。しかし、専門知識が豊富であることと、本の企画として伝わることは別です。「自分の経験をまとめたい」という出発点から、「どんな悩みを持つ人が、読後に何をできるようになるのか」へと視点を移す必要があります。

出版企画書の基本は、タイトル・企画趣旨・ターゲット読者・目次案・著者プロフィールの5つです。ここに類書との違い、想定仕様、告知方法などを加えると、編集者や制作担当者が企画を検討しやすくなります。

この記事では、商業出版への提案にも、出版代行を利用した電子書籍・紙書籍の制作にも使える考え方を整理します。後半には、そのままコピーして記入できる無料テンプレートと、提出前のチェックリストを掲載しています。

最初に整理したい「商業出版」と「出版代行」の企画書の違い

同じ出版企画書でも、誰に提出するかによって役割が変わります。最初に出版方法と目的を整理しましょう。

  • 商業出版を目指す場合:出版社が刊行を検討するための提案資料です。読者の需要、類書との差別化、著者の専門性に加え、その出版社の刊行分野との相性を伝えます。採用や出版を保証する書き方はありません。
  • 出版代行を利用する場合:著者と制作担当者が、目的・内容・費用・スケジュールを共有する資料です。どこまで支援が必要か、原稿がどの程度あるか、電子書籍と紙書籍のどちらを作るかも整理します。

たとえば「書店で広く読まれることを目指したい」と「相談前の顧客に自社の考え方を理解してもらいたい」では、本の構成や届け方が変わります。出版そのものをゴールにせず、出版後に誰がどう活用するかまで考えることが大切です。

サービスの仕組みや依頼範囲を先に整理したい方は、出版代行とは?費用・選び方も参考にしてください。

出版企画書は何ページ?書き始める前に決めること

提出先の指定がない段階では、まずA4で2〜3ページ程度の概要にまとめると、企画の軸を整理しやすくなります。これは作成時の目安であり、すべての出版社に共通する提出条件ではありません。指定フォーマットや分量がある場合は、そちらを優先してください。

最初から完成した文章を作る必要はありません。次の3点を、それぞれ1文で書き出しましょう。

  • 読者:誰が、どのような場面で困っているのか。
  • 読後の変化:読み終えると、何を判断・実行できるようになるのか。
  • 著者の強み:なぜ自分が、そのテーマを説明できるのか。

たとえば専門サービスを提供する経営者なら、「初めてサービスの値上げを検討する小規模事業者に、価格を見直す手順と顧客への説明方法を伝える」と書けます。ここが曖昧なままタイトルや目次を作ると、内容を広げすぎてしまいます。

なお、以下の記入例は書き方を示すための仮の企画です。実在する書籍の採用事例、販売実績、著者の成果を示すものではありません。

出版企画書の書き方①タイトル・サブタイトルで読者と価値を伝える

タイトルは、何の本かが一目でわかることが基本です。経営者や専門家の本では、抽象的な理念だけを掲げるよりも、読者が直面する課題を具体的に示すと、企画の内容が伝わりやすくなります。

  • 内容が見えにくい例:「経営の未来を変える」
  • 具体化した例:「小さな会社の値上げの進め方」
  • サブタイトル例:「価格の見直しから顧客への説明まで、経営者が整理したい実務」

仮タイトルは1案に絞り込まず、読者を前に出す案、悩みを前に出す案、読後の変化を前に出す案など、3案程度を比較してもよいでしょう。数字を入れる場合は、実際の内容に対応する「5つの手順」などに限り、根拠のない成果や期間を約束しないようにします。

「必ず売れる」「誰でも成功する」といった断定より、読者・課題・扱う範囲の具体性を優先してください。企画段階では仮タイトルで構いません。

出版企画書の書き方②企画趣旨で「なぜ今、必要か」を説明する

企画趣旨は、本を作りたい理由を読者の側から説明する項目です。「長年の経験を残したい」という著者の思いに加えて、読者の困りごと、既存の情報で解決しにくい点、本書が提供する解決方法をつなげます。

記入例:「価格を見直したい小規模事業者のなかには、顧客離れへの不安から判断を先送りしている人がいる。本書は、原価や提供価値の整理、改定価格の検討、顧客への説明を順に扱い、経営者が自社の状況に合わせて価格改定を検討するための実務書とする。」

この例は企画の仮説です。実際に提出するときは、自分が受けた相談や確認できる調査資料などを使って裏づけましょう。社会的な背景を示すなら、資料の発行元・調査年・対象を確認し、企画に関係する情報だけを選びます。

相談内容を根拠にする場合も、「最近よく聞く」だけでは曖昧です。記録があれば、いつ、どのような相談があったかを説明できます。集計していない相談件数や割合を、もっともらしい数字で補わないことが重要です。

出版企画書の書き方③ターゲット読者は「具体的な1人」まで絞る

「すべての経営者」「相続に関心がある人」では、読者の知識や悩みに幅がありすぎます。業種、役割、経験、困っている場面、すでに試したことまで整理すると、文章の難しさや必要な事例が決まります。

  • 経営者向けの例:初めて従業員を採用するにあたり、採用前に決めるべきことがわからない小規模企業の経営者。
  • 士業の企画例:親から事業承継の話を受け、専門家へ相談する前に論点を整理したい後継者。
  • 専門家の企画例:初めて社内研修を任され、目的設定や研修後の振り返りをどう設計すればよいか悩む担当者。

企画書では、最も届けたい「主な読者」を先に書き、その周辺にいる読者は補足します。絞るのは本を買える人の範囲ではなく、説明の基準にする読者像です。

自社の顧客を想定する場合も、サービスの紹介を読む理由と、本を読む理由は分けて考えます。本単体で役に立つ内容を作ることが、著者の考え方や専門性を理解してもらう土台になります。

出版企画書の書き方④目次案は「読者の変化」が見える順番にする

目次案は、知っていることの一覧ではありません。読者が課題を理解し、必要な知識を身につけ、行動できるようになる順番を示します。専門家が話しやすい順序よりも、初めて読む人が迷わない順序を優先しましょう。

たとえば「小さな会社の値上げの進め方」という仮の企画なら、次のような5章構成が考えられます。

  • 第1章:値上げを検討する前に、自社の現状を整理する。
  • 第2章:原価・作業時間・提供価値を把握する。
  • 第3章:改定価格と対象サービスを検討する。
  • 第4章:顧客への説明内容と伝える順番を決める。
  • 第5章:価格改定後の反応を確認し、改善する。

各章に「何を扱うか」「読者が何をできるようになるか」を1文ずつ添えると、内容の重複や不足を確認できます。さらに節見出しを加えれば、原稿作成時の迷いも減らせます。

目次を作ったら、企画趣旨で約束した内容がすべて含まれているか確認してください。タイトルでは実務を約束しているのに、目次の大半が自分史になっている場合は、構成の見直しが必要です。

出版企画書の書き方⑤著者プロフィールは「このテーマを書く根拠」を示す

著者プロフィールでは、肩書きの多さよりも、企画との関係を説明します。専門分野、実務経験、読者の課題に向き合ってきた経緯、確認できる実績を選びましょう。

記入例:「[氏名]。[職業・資格]。[対象となる顧客層]に対して[専門サービス]を提供。実務で寄せられる[具体的な相談テーマ]をもとに、初めて取り組む人にも理解しやすい説明を行っている。本企画では[扱う範囲]を担当する。」

数字で実績を示す場合は、「実務経験の年数」「登壇回数」「集計済みの支援件数」など、根拠を確認できるものを使います。集計期間や本人・会社全体のどちらの実績かも明確にしてください。

出版歴や大きな発信媒体がなくても、プロフィールは書けます。どの現場を知っているか、どんな疑問に答えられるかを具体化しましょう。顧客名や事例を載せる場合は、公開の許諾や匿名化の必要性も確認します。

企画の説得力を高める追加項目|類書・仕様・プロモーション

基本の5要素がまとまったら、類書との違い、制作する本の仕様、読者への届け方を補足します。企画書を長くすることより、判断に必要な情報を追加することが目的です。

類書比較:まず3〜5冊程度を目安に、同じテーマや読者を扱う本を調べます。書名・著者・出版社・刊行時期を正確に記録し、対象読者、扱う範囲、説明方法を比較しましょう。冊数は調査の目安であり、提出先の指定ではありません。

「競合がない」「他の本よりわかりやすい」だけでは、違いが伝わりません。「類書は幅広い企業を対象としているが、本企画は初めて採用する小規模企業に対象を絞る」など、比較できる軸で示します。目次や紹介文だけを確認した場合は、通読したかのように書かないでください。

想定仕様:電子書籍・紙書籍の希望、原稿の有無、図表の必要性、想定する分量、希望時期を記載します。ページ数は判型や組版によって変わるため、未確定なら「要相談」で構いません。

プロモーション案:自社サイト、メールマガジン、セミナー、店舗、営業資料など、実際に活用できる接点を書きます。フォロワー数や配信先数を載せる場合は確認時点を添え、見込み販売部数と同一視しないようにしましょう。

KDPを使う出版支援サービスを検討している方は、KDP出版代行おすすめ比較で、費用だけでなく制作範囲や出版後の対応も比較してください。

出版企画書の無料テンプレート|コピーして使える記入欄

以下をWordやGoogleドキュメントなどにコピーしてお使いください。会員登録不要の本文掲載型テンプレートです。未確定の項目は「未定」「相談したい」と記入し、確認できていない数字は空欄のままにします。

  • 1.仮タイトル・サブタイトル:[何の本か、誰に向けた本かが伝わる名称]
  • 2.企画を1文で説明:[誰が][どのような課題を解決し][何をできるようになる本か]
  • 3.企画趣旨:[読者の困りごと/必要とされる背景/本書が提供する解決方法]
  • 4.ターゲット読者:[職業・役割/知識の前提/困っている場面/これまで試したこと]
  • 5.読後の変化:[読者が判断・実行できるようになること]
  • 6.類書と本企画の違い:[確認した書籍の情報/共通点/対象読者・範囲・説明方法の違い]
  • 7.目次案:[章タイトル/各章の要点/必要に応じて節見出し]
  • 8.著者プロフィール:[氏名/専門分野/関連する経歴・資格/確認できる実績]
  • 9.想定仕様:[電子書籍・紙書籍/分量の目安/図表や写真の有無]
  • 10.原稿・素材の状況:[既存原稿/講演資料/記事/新たに執筆する内容/利用許諾の確認状況]
  • 11.告知・活用計画:[実際に使える発信媒体/配布や紹介の場/出版後の活用方法]
  • 12.制作条件・連絡先:[希望時期/出版代行の場合は予算・依頼範囲/氏名・連絡先/作成日]

提出先に指定書式がある場合は、その項目に合わせて転記してください。サンプル原稿や詳細な目次は、提出先の案内に従って添付します。

企画が伝わりにくくなる5つの失敗と改善方法

  • 著者の思いだけで終わっている:「経験を残したい」に加えて、その経験が誰のどんな判断に役立つかを書きます。
  • 読者の範囲が広すぎる:「経営者全般」から、課題に直面している具体的な場面まで絞ります。
  • 類書との違いが主観的:「わかりやすい」だけでなく、読者層・収録範囲・使い方などを比較します。
  • タイトルと目次がずれている:タイトルで約束した内容が、どの章で扱われるかを確認します。
  • 販売予測や実績に根拠がない:希望、計画、確認済みの事実を分け、未確認の数字は記載しません。

企業や事務所の紹介が中心になりすぎる点にも注意が必要です。著者のサービスを利用しない読者にも役立つ説明、判断基準、実践手順があるかを確認しましょう。

出版社への持ち込み・提出前チェックリスト

企画書ができたら、内容と提出条件を分けて確認します。送り先を増やす前に、その出版社が企画を受け付けているか、得意分野が合っているかを公式案内で確認してください。

  • □ 誰に向けた本かを1文で説明できる。
  • □ 読後に得られる変化が具体的に書かれている。
  • □ タイトル・企画趣旨・目次の内容が一致している。
  • □ 著者の経験や専門性が、テーマと結びついている。
  • □ 類書の書名・著者名などに誤りがない。
  • □ 実績・調査・数字の根拠と確認時点を示せる。
  • □ 顧客情報や第三者の文章・画像について、掲載条件を確認している。
  • □ 提出先の募集状況、対象ジャンル、指定形式を確認した。
  • □ 添付ファイルの形式・容量・必要書類が指定に合っている。
  • □ 氏名・連絡先・作成日を記載し、誤字脱字を確認した。

送付文には、企画名、概要、その出版社に提案する理由、添付内容を簡潔に記載します。返信時期や問い合わせ方法も提出先の案内に従いましょう。返答がないことだけで、企画の良し悪しを断定することはできません。

出版企画書のよくある質問

Q.企画書を出す前に、原稿を全部書く必要がありますか?

必要な原稿の範囲は、提出先やジャンルによって異なります。企画書と目次案を求める場合もあれば、サンプル原稿や完成原稿が必要な場合もあります。まず提出条件を確認してください。出版代行に相談する場合は、原稿の有無と、手元にある資料を伝えると依頼範囲を整理しやすくなります。

Q.無名の経営者や、出版経験のない士業でも企画書を書けますか?

書けます。知名度だけに頼らず、読者の課題をどれだけ具体的に理解しているか、その課題に役立つ知識をどう提供できるかを示しましょう。ただし、企画書を作成すれば商業出版が決まるわけではありません。

Q.企画書に売上予測や想定部数は必要ですか?

提出先から指定があれば記入します。根拠がない場合は、数字を作るのではなく、実際の告知手段や確認できる読者との接点を示してください。購入希望の確認が取れた数と、将来の販売見込みも区別します。

Q.同じ企画書を複数の出版社へ送ってもよいですか?

同時投稿や重複応募の扱いは、各提出先の規定を確認してください。送付する場合は、出版社ごとの読者層や刊行分野に合わせて提案理由を整理し、送付先と返答状況を記録しておきましょう。

Q.電子書籍と紙書籍で、企画書を分ける必要はありますか?

読者・企画趣旨・目次などの基本部分は共通にできます。仕様欄では、それぞれの形式での読みやすさ、図表の扱い、配布・販売方法を整理してください。両方の制作を希望する場合は、最初から明記すると見積もりや工程を相談しやすくなります。

Q.出版代行を依頼する場合も、完成した企画書が必要ですか?

最初の相談では、書きたいテーマ、届けたい読者、出版の目的、手元にある素材をまとめるところから始められます。どこまで企画整理や執筆支援を受けられるかは、サービスの対応範囲を確認してください。

出版企画を具体化したい方へ|cortis出版の無料相談

出版企画書は、専門知識を読者のために整理する第一歩です。まずは「誰に届けるか」「読後に何が変わるか」「なぜ自分が書くか」の3点を埋め、タイトルと目次へつなげてみてください。

cortis出版は、経営者・士業・専門家に向けた電子書籍+紙書籍の出版代行を提供しています。サービスの案内は10万円〜・最短30日・印税100%著者帰属。料金と納期は、原稿の状態や制作範囲などの条件によって異なるため、個別にご確認ください。印税100%著者帰属は、書籍の販売価格全額がそのまま著者の受取額になるという意味ではありません。

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